3月6日

昨日もどうも有難うございました。
いつも通ってくれる子に新しい子、そして中学生になった子と、にぎやかな一日でした。

体験でいらっしゃった保護者様に「将棋には色々な形がある」とお話ししたところ、大変驚かれたのが印象的でした。
自分の常識が誰かの常識にもなるわけではないと改めて気づかされました。猛省。
生徒たちだけでなく、親御様にも将棋の中身について、ちょっとでも知ってほしいと思います。

そんなわけで、平手で挑戦してくれた子との一局をご紹介。
3月6日ブログ①
将棋には大雑把に言って、飛車を右側で使う「居飛車」と、左側で使う「振り飛車」とがあります。
これはお互いに居飛車ですが、中でもじっくりした流れの「相矢倉」という形。自玉を「矢倉囲い」にすることが、その名の由来です。
さらに細かく言うと、先手は相矢倉でも「加藤流」と呼ばれる手順を選んでこの局面になっています。
いわゆる「定跡形」。「攻めは飛・角・銀・桂」、「玉の守りは金銀三枚」などの格言に沿って、駒一枚一枚がとてもよく働く展開です。
手順を覚えるのにも苦労するはずで、「八枚落ちから始めた子がここまで指せるようになったのか」と思うと、嬉しさがこみ上げてきます。

実戦はここから▲1七香△4二銀▲4六銀△3三桂と進行。
3月6日ブログ②
▲1七香は、▲4六銀(次に▲3五歩で開戦)と繰り出したときに△4五歩▲同銀△1九角成の「当たり」を避けたもの。
進行図の後手は、桂を持ち駒にしての△9四桂や△8六桂といった転用が狙い。金銀四枚の守りを活かして、あえて自玉で駒をぶつけています。

先手としては、攻め駒がいるところで戦いが始まるのだから望むところ。
ところが、この先手陣にはひとつだけ、マイナス要素がありました。

すなわち、もし▲1七香が▲1八香という上がり方だったら、
この△3三桂には▲3五歩△2五桂に、じっと▲3四歩と取り込めます。
3月6日ブログ③
▲3四歩が攻めの拠点になるだけでなく、次に▲2五歩や▲3五銀などの権利も残るので、これなら先手有望。

ところが進行図で▲3五歩△2五桂▲3四歩では、△1七桂成の食い逃げ事件が発生してしまいます。
3月6日ブログ④
▲1八香より▲1七香の方が良い場合(何かのときに▲1八飛と回れる利点など)もあるのですが、強くなってくると、こうした些細な違いが形勢に直結することも多くなります。

この辺まで考える姿勢が身に付けば立派に有段者。局後の検討(感想戦)にも、駒組みからメスが入ります。
定跡とは理に適ってある程度整備されたものですが、その中で先手も後手も工夫を凝らして、さらに発達していきます。
料理なら、和風・洋風・中華といったテーマから、料理人が師に学びつつも自分ならではの最高の味を求めるようなものでしょうか。
将棋はやってもやってもキリのない世界で、だからこそ一生打ち込めるものなんですね。

3月6日」への3件のフィードバック

  1. 業務連絡

    画像サイズはフルにした方が鮮明なので修正しておきました。

  2. 先生、僕じゃもう読解できません(笑)。
    一応、正直に言っておいた方が将棋素人親御さんのためとおもって(笑)
    将棋が奥深いということは理解しました~

    1. 誤解を恐れずに要約すると、矢倉は奥が深い、香車の上がる段が一つ違うだけで展開が大きく変わる、という事でしょうか。

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