【寄稿記事】野々市椿支部 青木さんより

elmoの衝撃

世界コンピュータ将棋選手権ポナが2連敗でしたね。
神に香落ちにまで迫ったといわれる、今後数年は無敗を誇るのではないかと言われたPonanza Chainerが敗れたというのは衝撃でした。
棋譜を見たい方はニコ動などでどうぞ。

さっそく、全勝優勝したelmoを試してみました。

とりあえず、検討用に私が愛用しているGPS FISH(軽くて手軽なので好き)と指さしてみましたが、序盤から瞬殺です。
Aperyや激指14でも試しましたが、まったく歯が立たないですね。

とりあえず第1局の結果のみをお伝えします。
SILENT MAJORITYの方がelmoです。
グラフを見れば20手過ぎから形勢がどんどん傾いているのがわかります。

序盤から形がガタガタに崩されています。
画像が大きくて申し訳ないですが、5秒将棋で対戦させて、GPSがまだ結論を出していないときに、ELMOは23手詰め、35手詰め、256手詰めを読み切っています。
これは特別な名局ではなく、たまたまささせた一局目ですので、念のため。
この抜群の終盤力に加えて、序盤の巧みさ、恐ろしいです。

【寄稿記事】野々市椿支部 青木さんより」への10件のフィードバック

  1. 結果報告
    うちの環境では、技巧2はほぼ勝てません。
    「浮かむ瀬」第4回将棋電王トーナメント versionのAperyはかなりいい勝負をしています。
    振り飛車を何局もささせて、振り飛車の真髄を感じました。

    1.  Ponanza以外は全て、ソフト公開になりつつある流れなようで、しかも起動環境でほぼ64bit機必須とは…ウチのロートル32bit機もそろそろお払い箱でしょうか?。

       さて5/2の各地解説会で、石川県のソレに仕事帰りに寄らせて頂きましたが、平藤先生の解説も深かったし、能登からの強豪連合軍(?)な方々の読みも流石でしたし(#「次の一手」は、実際指された手ではなく、某強豪氏が指摘したソレが本筋では?とも後から思ったり)、併せて激指&技巧での局面変化/形勢判断も、解説と並行して示されたのが、例年のソレと大きく違った所で、大変勉強になりました。

       他の都道府県解説会でも、ソフトを並行して回して…というのは当たり前になりつつあるのでしょうか。石川では、去年解説会まではここ迄では無かったと思うので、運営の方々の工夫が光った1日でした。ここに来年からelmoも加わるのは必至ですね。

       一方、敗れたPonanzaの山本氏もこのまま引き下がる筈も無く…という関連で、何遍かココで言及させて貰った例のWEB連載が、数日後に書籍化、という御案内。
      #山本氏が書いた物が書籍という形になるのは、意外にも本書が初のようで。
      https://goo.gl/blaK1w
       上記からどの程度内容が増えているかは、来年の世界コンピュータ将棋選手権でどうポナがリベンジしてくるのかと、同じ位に興味津々です。

  2. 体調不良で臥せっておりました。皆さんご自愛ください。

    この記事を読んで、今回のコンピュータ選手権を観たときの衝撃が思い出されました。内容はまあ理解できてないだろうと言われればそうなんでしょうけど、解説のプロ棋士のコメントの固まり様と会場のどよめきで普通の感性さえ持ち合わせていれば凄さは感じられると思います。一見、水平線効果と思われたかの手もその時点でのおそらくベストな手だったと。これがスピーディーに放たれるのだから、人間の思考が追い付かないというのも頷けるかと。

    数年前、とある有名プロ棋士が、僕が研修会員の親であることを承知したうえで、ご自身が激指(当時は12だったかな)との対局でも勝てないと教えてくれました。最初は冗談とも思いましたが、「アマチュア〇段」に匹敵の強さというキャッチコピーは「プロ〇段」に読み替えて問題ないようです。もちろん、ソフトの穴を研究してそこを突いたりするのは除くし、公式戦並みに気合を入れて対局すればわからないけれどくらいはおっしゃっていましたが。
    ちなみに、その方はその言葉に特に強い感情は込められてなく、(おわかりでしょうけど)くらいで本当に自然に。

    さて、先日埼玉にて、付き添いのパパーズとのやりとり。たまたま3人ほどの方がソフト開発?系の方々で、elmoの話となりました。ponanzaに勝ったソフトがあるんですよ~。とか話していた数時間後。おひとりの方が、仕事をしようと思って喫茶店に行き、ついつい(笑)、elmoをダウンロードして(たぶん)技巧と対局させてみたとのこと。一手5(7だったかな?)秒だと技巧もいい勝負するとのこと。時間が短いとそれほど力が出ないという見解。僕が、ネットでそういえば時間が長いほうが強さが発揮しやすいって書いてあった旨伝えるとやはりそうですかと。なお、一般に一手10秒なら力を発揮させての検証には十分だそうです。コンピュータにとっては充分に長い時間とのことですね。

    さて、コンピュータ将棋の強さは人間にもどこまで真似?応用?できるのでしょうか?そちらの検討がされると、来るべき様々な分野でAIが人間を凌駕する時代においても(優位を築く)人間の思考方法に応用できるのではないのかと思わなくはないです。コンピュータ将棋の強さは従来の人間の思考の延長線上にあるなら、ある種の天才以外は近づくのは困難かと思います(それを数百年かけてやってきたわけで)。思考法が異なるのなら、近づくのも可能かもしれませんね。

    今は将棋が強くなりたい子の親(または指導者)はソフトに精通しているのがアドバンテージになるかもしれません。我が子の棋譜を入れると、陥りがちな間違いの解析が出来たりするのはすぐそこでしょう。対局相手の人間的解析も容易になるでしょう。(もう近いことをやっている人もいるでしょうね。)
    それどころか、コンピュータと遊んでいるうちにその子に合わせて少しづつステップアップした棋力で相手してくれるソフトも出るのでは?ちなみに、頭の固くなった大人にとってはこの学習法?はそれほど容易なことではないかもしれませんね。

    比較的単純なことを精密に気が遠くなるほど繰り返すことが一般の人間にはできません。恐らくは、その能力は生存競争にそれほど有利ではなかったからでしょう(サヴァン症候群はそれができる一つの例かもしれません)
    それを補うための総合知が 知能 や 叡智 や 知性 と呼ばれるものかもしれません。

    さあ、青木式将棋学習法の完成に期待しましょう。

    (なお、パパーズとの討論の結果、コンピュータ将棋は今は評価関数が序中終盤一定な点と、振り飛車の評価が序盤(だ)から低い点はある意味まだ検討の余地が多いのではないかと。アフターponanza時代はまだ始まったばかりかも)

    1.  藤井四段が公式戦連勝を続ける中、「三段リーグで5敗させた相手陣ってエラいよね」的コメントも見かけますが、個人的には、その時より一回り?(いや、N回り?)更に強くなっておられるように見受けられます。

       最近の藤井四段の談話を拝見してると、ここ1年ほどコンピュータを勉強に取り入れられ始め、局面評価値等を見て学ぶことも多かったとか。更に強くなられた理由はソコだったか、と思ったのは自分だけでは無い筈。今後はこうした勉強方法がプロでもアマでも当たり前になるのでしょう。

       関連で丁度本日、「AIが将棋で勝って大騒ぎしていることに驚く」という中々に刺激的なタイトルの記事が出ました。
      http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/050800253/?P=5&mds
       といっても、将棋に関して触れてる所はごく一部で、AIの今後の使い方、という辺りが記事全体の主旨のようですが。

       全く同じことを生前、「人間が負けるに決まってるじゃないか」と大山名人も言われてた、というのは有名な話です&流石の、先見の明。
      https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B1%B1%E5%BA%B7%E6%99%B4
       当時殆どの棋士は(というか関係者&一般人の殆ども)、コンピュータなんかに将棋で負ける訳がない、と思ってたのですからね。という自分も、20年前はその考えでした。

       今となっては隔世の感があります…と言いつつ、来週末の電王戦第2局では、佐藤名人に何とか頑張って頂きたい、とも願ってたり。

      1. 局面評価値を参考にするのは、ある程度の棋力が前提だと思います。
        もし藤井君が奨励会に入る前からソフトを使って学習していたら、ここまで強くなれたのかどうか…

        子どもたちがこれまでの将棋の歴史で培われた「本筋」を身に付けずして、ソフトの指し示す手をやたらと学ぶのはとても危険だと感じます。中西六段がよく言われる「筋が壊れる」恐さです。

        上位者から「本筋」を学ぶことが、将棋文化の核心ではないでしょうか。
        PCと対峙していればプロレベルにまで上達できてしまうなら、将棋の魅力は地に落ちるでしょうね。

        1.  ソフトの使い方にも色々あって、変化手順や局面評価値”だけ”を求めるというやり方から、基本的な定跡手順の学習用としてや、自分のレベルに合った対戦相手として(例えば指定戦型で)、とか。要は、使い方なのかな、と。

           丁度窪田さんが言及されてる「技巧2」は、最新版はこれらの事も可能となり、前バージョンよりかなり進化した、との紹介記事です。
          http://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1058481.html
           自分も、動かせる環境に無いのに(苦笑)ダウンロードだけはしてみましたが、確かに基本戦型ごとの定跡ファイルが同梱されてました。

           ソフトは今後更に進化し、人間が指すような「本筋」をも示してくれるようになってくる、と予想してるのですが、どうでしょうかね。(ちなみに技巧2は、その域にどこまで近づいているのか? 矢張り自分で試すしか?)

           たまたま自分が通える近くに、生身の人と対局できる環境があり、適切な指導者・上位者がおられれば言う事ナシですが、地方では物理距離的に、そういう環境下に無い、という方も多数おられるでしょう。そうした方々にも、ハンデなく、学びの場がソフトやネットによって新しく開けた、と考えてもいいかも。
          ※井道女流プロが、英春氏の道場にずっと能登の先端から通われてたのは、あの距離&所用時間を考えれば、並大抵の努力では出来ない筈です。中々普通人にはそこまでは。

           話はやや逸れますが、相当強くなる迄に、盤&駒の実物に触ったことなく、ネット対局環境だけで…という人が最近ではチラホラ、という事を時折耳にします。(実際、コレに近いプロの方も既に…とか。) 自分のような古い人間からすると、「そんなので強くなれるのか?」とも言いだしそうになりますが(笑)。

           日本は兎も角、外国の人が将棋を、という場合には大概の場合はこうならざるを得ないのでは。それでも、カロリーナ女流プロのようなレベルの方まで出てくるわけで。(「いや、実際の盤&駒触ってきてるわヨ」、と言われるかもしれませんが^^;)

           はたまた前に書いたように、藤井猛先生のように、ほぼ周りに知られる事なく&生身の人間と殆ど指さずして、奨励会レベルにまで強くなった、という人もおられる訳で。…というように、上達の仕方/ルートも多種多様なんじゃないかと思うのですが、如何でしょうか。

          1. ソフトが実戦的な手ではなく「本筋」をも示せるなら、プロの価値は無くなりますね。

  3. 私程度の棋力では何が本筋かはわからないし、ソフトで勉強しようとか、研究しようとか、はたまた練習相手にしようとか、そういう気は全くないのですが、ソフトの指した手に感動できるだけの棋力がかろうじてあることを幸せに感じています。

  4. コンピュター選手権の動画を見てみましたが、
    開発者の方が楽しんでいるような。
    人間の将棋大会と違った雰囲気があって面白く感じました。
    とんでもなく強いのだけは良く分かりましたw
    青木先生、レポートありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA