6七キャラメル。(ドラマ「woman」より)

「待った」の後に「6七キャラメル」。

5年ほど前の坂元裕二さん脚本ドラマ「woman」の冒頭。
都電ホームでの印象的なボーイミーツガールから、古書店でのホンワカした対局シーン。

小春(満島ひかり)がこんな事を語りながら、玉頭に駒を打ち王手をかける。(二歩っぽいんですが…)

「こどもの頃、人が死んだらどうなるのかなあと考えたら止まらなくなって。
大人に訊いたら星になったんだって言うの。
星になるわけないって思って、人間が。
結局考え至ったのが、人は死んだら消えて無くなるんだって…」

そこで信が間髪入れず、
「待った」
と言い相手の手は戻さず、小春の玉頭にそっとキャラメルを置くのです。

優しく「人は死んでも消えてなくならないよ」と言ってるかのように…
「いっしょに答えを見つけよう」というプロポーズだったのかも知れませんね。


話が進むにつれ、キャラメルが信(小栗旬)の壮絶な少年時代に「希望」の象徴だったことが明らかになります。
この後の展開が強烈すぎて忘れ去られそうな対局シーンですが、この「待った」には重要な意味があったわけです。

回想シーンでは結婚前、冒頭シーンとは別の対局中にこんな会話も交わされています。

「どうして山に登るんですか?」
「読書と同じです。最後のページに書いてある答えを知りたいんです。」
「なんの?」
「生きている。」

そう言えば、ロマンチックコメディの金字塔「恋人たちの予感」では、ビリー・クリスタル演じるハリーが、
「僕はいつ死んでもいいように物語の結末を先に読む。」
と言ってメグ・ライアン演じるサリーに呆れられたシーンは有名ですね(笑)

最終話の回想シーンで、彼が導き出した答えが妻となった小春に日常のワンシーンで語られます。
長女が産まれ、小春のお腹には二人目が。

これがまた子を持つ親には響きまくる名言なんです。

ぜひ本編をご覧ください。
ネタバレはこちら

小栗旬演じる信の好青年ぶりは、小春じゃなくても惚れるだろうと。
信のように生きたいものだと、心から思います。

ドラマ中、随所に将棋が登場します。
満島ひかりさん演じる小春は、幼い頃ピアノ教室をサボって公園で大人と将棋を指し、将棋好きの父親の相手をして強くなったという設定。
ストーリー中、升田幸三先生の自伝があらわれた時は思わず爆笑しました。

「anone」で視聴率は苦戦中の脚本家坂元裕二さんですが、
私にとってこの「woman」は「カルテット」を超える人生のバイブルになりました。

最終話の回想シーンに現れた相振り飛車の将棋は、2人の服装や小春の髪型が違うことからドラマ冒頭とは別の日だと分かります。
盤の周りの整い方や二人の話し方から、ドラマ冒頭の対局シーンよりも時系列的に前のような気がしますね。相振り飛車の対局では、駒箱を駒台にして丁寧に持ち駒を並べたり、小春の装い(髪型や服装)、二人の会話や態度も初々しいような。知り合ってからまだ間がないような雰囲気が漂っています。
この辺りの細かい演出が素晴らしい。

2人は古書店で将棋デートを繰り返した?
よく見返すと冒頭では小春がエプロンをしてお客様を見送っているのが一瞬映り、相振りの時は膝に古書が何冊も乗っかっているので、ここは小春のバイト先で仕事の合間に一手ずつ指していたということですね。

大都会東京にはこういう店もあるのかと調べてみると、撮影に使われた古書店は荻窪にあります。
店内で対局できるかどうかは分かりませんが(たぶん無理)、荻窪将棋サロンとは駅を挟んだちょうど反対側にあるようですね。

いつか聖地巡礼したいです。

小春はかなり将棋が強いという設定ですが…
この局面、ツッコミどころが多いですね(笑)
なぜ香得できたんだろう…

ドラマのテーマである「円居(まどい)せん」。
遠き山に日は落ちて」の最後のフレーズです。
(ドヴォルザーク「新世界より」第2楽章 家路)

円居せん。美しい日本語ですね。
ああ再婚したい…

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