カザルスの「鳥の歌」

以前の職場に他業種から引き抜かれて来た上司がいて、クラシック音楽、特にチェロに詳しい人でした。たしか娘さんがチェロ奏者だったような。
その人に教わったのは、とりあえずカザルス、マイスキー、ロストロポーヴィチを聴いておけば間違いないと。チェロと言えば、ヨーヨー・マの「リベルタンゴ」がサントリーのCMに使われていた頃でした。

カザルスは、バッハの「無伴奏チェロ組曲」を発掘(再発見)したこととホワイトハウスと国連で演奏した「鳥の歌」が有名です。
国連での演説はyoutubeにもあります。
冷戦時代の世界に向けた実に感動的な映像です。

「この曲はカタルーニャの民謡で、カタルーニャの鳥たちは『ピース、ピース』(平和、平和)と鳴くのです。」

今も独立で揺れるスペイン・カタルーニャ地方の美しいクリスマス・キャロルをカザルスがアレンジし、平和を願う曲として有名になりました。

私が初めてこの曲を知ったのは、世界的ジャズピアニスト菊地雅章さんがアンコールで演奏された時。(@HALL BEE)
ライブの主催が「パブロ」というジャズバーのマスターだったので、パブロ・カザルスの曲を演奏したのだと思います。
菊地さんからは何の説明もなかったですが。
ちょうど上司に教わった有名どころのチェロを聴き始めた頃で、実にタイミングよく「鳥の歌」に出会いました。

昨夜youtubeで「鳥の歌」を探していたら、素敵な奏者を発見しました。
18歳のシェク・カネーメイソン。
デュオでピアノを演奏してるのはお姉さんのイサタ。
きょうだい7人がミュージシャンという、音楽一家です。
http://www.kannehmasons.com

シェク・カネーメイソンの「鳥の歌」。

カザルスのホワイトハウスの演奏をなぞっている感じです。
御大のチェロには無い透明感を感じますね。
これから歳を重ねて深みが増していくのでしょう。

他にもたくさん動画がアップされています。
ラフマニノフの曲は特に彼らのスタイルに合ってる印象。

カネーメイソン姉弟のラフマニノフ「ヴォカリーズ」をぜひ聴いてみたい。

ミッシャ・マイスキー「ヴォカリーズ」

マイスキーは12月に石川に来てましたよね。
無伴奏を生で聴きたかった…
ドラマ「カルテット」すずめちゃんの無伴奏(バッハ→カサド)で感動してる場合じゃなかった。
カサドの無伴奏チェロは、バッハの無伴奏よりさらに心をえぐってくるわけですが。
(「バッハ無伴奏チェロ組曲」を偶然発見し世に知らしめた師匠カザルスに献呈されたのが、カサドの無伴奏という構造。バッハ無伴奏は相矢倉系持久戦、カサド無伴奏はいきなり角交換して超力戦というイメージ。)
https://www.instagram.com/p/BSQYT5hA6XQ/

おまけ サントリーCM
ヨーヨー・マ「リベルタンゴ」

さらにおまけ
ロストロポーヴィチの亡命の原因は、「収容所群島」で有名なノーベル賞作家ソルジェニーツィンを匿ったからだと初めて知りました。(古書で購入した「収容所群島」6冊は書棚に積ん読状態…)
亡命中、ベルリンの壁崩壊直後に壁の前で演奏した貴重な映像。

チェロという楽器は、悲喜劇を雄弁に語ってくれます。

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